第四十三話「大乱戦」

「なんだ、あれは……」

 事前に調査出来た参加者は二名。一人は御三家の一角である間桐の魔術師、間桐桜。もう一人は協会の任を受けた封印指定執行者のバゼット・フラガ・マクレミッツ。残りの四名の情報は一切無いが、既に、自身のサーヴァントであるセイバーを含め、四体のサーヴァントの存在を確認している。残るクラスは三つのみの筈。
 だが、地上に現れたのは六体。本来、聖杯戦争に招かれるサーヴァントは七体の筈。
 
「合計十体だと……? 一体、何がどうなっているんだ!?」

 取り乱しそうになるのを必死に抑えながら、ライネスはセイバーに連絡を取ろうと瞼を閉じた。すると、彼の方から予想外の情報を齎された。
 バーサーカーの襲撃を受け、更にそこへ、ライダーのサーヴァントが横槍を入れて来たと彼は報告して来た。未だ、戦闘中らしい彼からそれ以上、詳しい話を聞く事が出来なかったが、これで十二体。内、クラスが分かっているのはセイバー、アーチャー、アサシン、ライダー、バーサーカー。残る正規クラスはランサーとキャスターのみ。
 だが、眼下で繰り広げている戦闘を見る限り、ランサーに該当しそうなサーヴァントは居るが、キャスターに該当しそうな英霊は見当たらない。それどころか、後から現れた六体は明らかに尋常ならざる雰囲気を漂わせている。まるで、バーサーカーのようだ。
 六体のサーヴァントの後ろに男が一人。見覚えがある。事前調査で得た情報によれば、男の名は言峰綺礼。前回の聖杯戦争でアサシンのサーヴァントを召喚したマスターだった男。所属は聖堂教会でありながら、魔術師の儀式に参加した異端。
 恐らく、あの謎のサーヴァント集団を操っているのはあの男だ。だが、どうやって、あの数のサーヴァントを使役し、操っているのかが分からない。そもそも、サーヴァントは一体契約するだけで負担の大きい存在だ。
 
「いや、前提が間違っているな」

 あの数のサーヴァントを一人の人間が使役するなど不可能。恐らく、協力者が居るのだろう。
 問題なのは一つの陣営が六体ものサーヴァントを使役している事。
 
「……駄目だ。情報が少な過ぎる」

 まず、この聖杯戦争に総勢何体のサーヴァントが召喚されているのかを確認する必要がある。
 
「だが、どうやって調べる……」

 手っ取り早いのは情報を知っていそうな人物を締め上げる事。例えば、あそこに居る言峰綺礼を捕らえる事が出来れば、確実に必要な情報が得られるだろう。
 だが、リスクが大きい。如何にセイバーが強力な英霊であろうと、六体ものサーヴァントを敵に回して無事に済むとは思えない。
 
「――――なら、この状況を利用しない手は無いな」

 現在、謎の英霊集団と言峰綺礼は間桐桜と彼女が束ねているらしい三騎の英霊が戦っている。アサシンが現れた時の言動といい、まず間違いなくあの三体は手を組んでいると見ていいだろう。
 六体のサーヴァントを従える言峰陣営と三体のサーヴァントを従える間桐陣営。どちらも勝ち抜く上で大きな障害となる。危険度の高さで言えば、どちらも然程変わらないだろう。
 だが、間桐陣営に関してはある程度情報が得られている。今優先すべきは全く情報の無い言峰陣営の正体を探る事。
 
「セイバーは現在、ライダーとバーサーカーを相手に乱戦状態……」

 この状況を利用すれば、言峰陣営のみならず、ライダーとバーサーカーの情報も手に出来るかもしれない。上手くすれば、ここで何体か脱落させる事も出来るかもしれない。
 
「感謝するんだな、間桐桜。現状、不利なのは貴様の方だ。その状況を掻き乱してやるのだからな!」

 セイバーにラインを通じて命令を告げる。ライダーとバーサーカーを引き付けつつ、ここまで移動し、乱戦を拡大させ、言峰綺礼を捕縛せよ、と。
 
 第四十三話「大乱戦」
 
 主の命令を受け、セイバーは即座に身を翻した。
 
「あれあれ? どこに行くんだい?」

 空から暢気な声が降って来る。アーチャーはセイバーに施された|仕掛け《・・・》を解除した途端、姿を晦ませた。恐らく、令呪による強制召喚だろうと思い、マスターに連絡を取ろうとした矢先、襲い掛かって来たのがバーサーカー。
 まず間違いなく、セイバーとアーチャーの戦いを盗み見ていて、どちらかが倒れた瞬間、漁夫の利を得ようと企んでいたのだろう。アーチャーの宝具によって拘束されていたセイバーはまさに格好の得物として彼とそのマスターの目に映ったのだ。
 彼らにとっての誤算はセイバーがその拘束を引き千切る程の力を有していた事。引き千切る為に要した時間は僅か二秒。アーチャーに対しては致命的な隙だが、理性無き狂戦士が相手ならば話は別。瞬時に体勢を整え、迎え撃つ事に成功した。
 ところが、そこに更なる第三者が現れた。それが頭上の暢気な声の正体。幻想種に跨る女騎士とそのマスターらしき青年。最初は横槍を入れに来たのかと思ったが、さっきからずっと、ただセイバーとバーサーカーの戦いを見物しているだけだ。
 つまり、ただ悪戯に此方の情報を収集されてしまっているのが現状。忌々しく思いながらも、一向に手を出して来ない奴等ばかり意識しても居られない。バーサーカーはアーチャー程では無いにしても、中々の強敵だ。一度は刃の通ったセイバーの魔剣が二撃目から通らなくなってしまった。もう一方の剣も通じたのは一回のみ。どちらもバーサーカーに致命傷を与える事が出来ず、ずるずると戦闘が長引いている。
 残る二つの宝具を使用しようにも、上空のライダーが厄介だ。恐らく、どちらを使っても、バーサーカーを倒す前に奴には逃げられる。すると、まんまと此方の切り札の情報まで持っていかれる訳だ。
 
「へいへーい! 尻尾を巻いて逃げるなんて情け無いぜい!」

 にしても、腹が立つ。さすがにバーサーカーを相手にしながら、魔剣の真名解放をライダーに向けている余裕は無いが、それでも撃ち落したい欲求に駆られる。
 
「何が『ぜい!』だ! 戦う気が無いなら失せろ!」
「戦う気は無い! けど、戦いを見る気はある! ほらほら、頑張れ頑張れ!」
「ファイトだ、セイバー! 負けるな、セイバー!」

 どうやら、ライネスが己に仕掛けた細工は完全に機能を停止させているらしい。ステータスを隠蔽する中々に凝った細工で、彼女曰く、血と涙と汗の結晶らしいのだが……。
 にしても、主従揃って腹が立つ。
 
「ぶっ殺すぞ、貴様等!」
「イッヤーン! ぶっ殺すだって、こわーい!」
「イラッとすんだよ、この野郎!」
「あれ? ボクが男だってバレちゃった?」
「いいから降りてって……、男!?」
「イッエース!」

 開いた口が塞がらない。危うく、背後から迫るバーサーカーに首を切り落とされるところだった。
 おいおい、嘘だろう。あれが女じゃなくて男って、あり得ないだろう。
 
「男なのに、こんなにキュートだなんて、さっすがフランスの英雄アストルフォ!」
「えっへへー!」

 耳を疑った。おいおい、こっちの情報を得る為に見物してたんじゃないのか、お前達。
 
「ア、アストルフォ?」
「そう! ボクこそ、イングランド王の息子にして、シャルルマーニュ十二勇士の一人、アストルフォさ!」
「オイイイイイイイ! なんで、名乗ってんだよ!? 真名は隠すもんだろ!」「我が名を名乗る事に恥じ入る道理無し!!」
「可愛い顔して、かっこいいな、ちくしょう!」
「キャハ、可愛いだってー」
「ライダー、超キュートだよ!」

 頭が痛くなってくる。真名どころか、ステータスまで必死に隠そうとしてた自分が情けなくなって来た。自分の作戦は聖杯戦争のセオリーに乗っ取ったものであり、何も間違っていない筈なのに! なんだ、コレ!
 
「ちくしょう! なんだ、この変な敗北感!」

 叫んでいる内に目的地が視界に入って来た。バーサーカーも気付いたらしく、動きに変化が生じた。
 
「ッハ、怖気付いたか、バーサーカー!」

 挑発をしながら一旦斬りかかる。ここで撤退されてはマスターの命令を遂行出来なくなる。
 
「おお! セイバー、かっこいい!」
「マジ、クールだぜ、セイバー!」
「喧しい!」

 頭上の主従が本当に忌々しい。
 
「っクソ、お前等、バーサーカーにも何か言えよ!」
「えーっと、マッスルボンバー!」
「半裸で寒くないのー?」
「他にも言う事あるだろ!」

 話を振っておいて何だが、マッスルボンバーって何だろう。
 どうでもいい事を考えながら、バーサーカーを目的地の寸前まで引き付ける事が出来た。
 
「ファーガス!?」

 セイバーに最初に気付いた黒髪の女が変な言葉を口走った。
 
「なんだ、ソレ?」

 セイバーとバーサーカー、そして、ライダーの襲来に戦場が一時水を打ったように静かになった。
 
「わーい、サーヴァントがいっぱい居るよー!」
「聖杯戦争って、定員七体じゃなかったっけー?」
「わかんなーい!」

 頭上で行われる頭の悪そうな会話に最初に反応したのは金髪の女だった。
 
「ライダー! それに、フラット!」
「あれれ? お姉さん、俺達の事知ってるの?」
「もしかして、ボク達って、有名人? 溢れ出す有名人オーラが出ちゃってる?」
「出てません! それより、貴方達は早くここから離脱しなさい!」
「そ、即答された……」
「大丈夫さ、ライダー! 俺には見える! ライダーの有名人オーラが!」
「本当?」
「話を聞いて下さい!」

 頭悪そうコンビがトリオになった。マスターが用意した部屋で見たテレビ番組から得た知識によると、あの女はツッコミだ。
 
「ボケ二人にツッコミが一人。完璧じゃねえか、おい」
「え、何が?」

 戦慄の表情を浮かべるセイバーに黒髪の女が怪訝な表情を浮かべた。
 セイバーは誤魔化すように咳払いをしつつ、戦場を見回した。どうやら、あの三人に気を取られていたのはセイバーと黒髪の女だけらしい。他は襲来したセイバーとバーサーカーの動向を探っている。
 均衡はいつ崩れてもおかしくない。ライダーとアサシン、それに金髪の女の戦闘力は未知数だが、アーチャーとバーサーカーの戦闘力は折り紙つきだ。乱戦となれば、人一人攫うくらい簡単な筈。
 
「と、とにかく、貴方達は即刻――――」
「来るぞ、ルーラー! 凛殿を!」

 アサシンの叫び声にルーラーと呼ばれた女は表情を引き締め、旗を取り出した。
 ルーラーというクラスに心当たりが無い。念の為にマスターに手に入れたばかりの情報を伝えると、思いがけない反応が返って来た。
 
 ――――優先順位を変更。ルーラーを守れ。必要なら、宝具の開帳を許す。

 どうやら、マスターはルーラーというクラスに心当たりがあるらしい。どういう思惑があるか知らないが、彼女の決断とあれば是非も無い。
 
「ルーラー。マスターからの指示でな。お前を守る事になった」
「ファーガス!?」
「……いや、マジでそれ何なんだ? そっちのアーチャーから聞いているだろ? 俺はセイバーだ」
「し、失礼しました」

 驚いたかと思えば恥ずかしそうに俯く。表情がころころ変わって面白いが、状況は切迫している。
 
「俺には状況がさっぱり分からんのだが、とりあえず、今はお前の味方だ」
「……頼りにして良いのですね?」
「マスターからの御命令でな。存分に頼りにしてくれて良い」

 ルーラーの隣に並び立ち、魔剣を構える。すると、バーサーカーが突然、身を翻した。
 
「お、おいおい!」

 折角引き連れて来たというのに、逃げられてしまった。まあ、まず間違いなくマスターの意思だろう。この状況で無策に暴れ回らせる程、愚かなマスターでは無いらしい。
 
「聊か、予想外の事態だな。よもや、セイバーまでが加勢しに来るとは……」

 英霊六体を従える男、恐らく、奴が言峰綺礼だろう。言峰は口振りとは裏腹に実に愉快そうに笑みを浮かべている。
 
「アレが育ち切った母胎から産み落とされるのを待つのも良いが、こういう筋書きも悪くない」
「何の話だ?」

 セイバーが問い掛けるが、ルーラーを含め、誰もが困惑の表情を浮かべている。いや、ただ一人、アーチャーだけが涼しげな表情を浮かべている。
 
「まあ、それもお前達がこの者達を退けられたらの話だ。やれ、お前達」

 奴等が動いた。向こうの事情も此方の事情も何もかも分からない事だらけだが、マスターがルーラーを守れと言った。なら、それ以外の事は全て忘れ、ただ命じられるがままに暴れるとしよう。
 ルーラーとアサシンは黒髪の女を守るように構える。アーチャーは前に出て双剣を抜き放った。
 
「そんじゃ、暴れるとするか――――」

 セイバーもまた、一歩前に足を踏み出す。
 マスターは宝具の開帳を許した。それはつまり、己の真名を明かす事を許可したという事に他ならない。
 セイバーはライダーを見た。彼の視線に気付いたライダーも彼を見つめ返す。キョトンとした表情を浮かべるライダーにセイバーはニヤリと笑った。
 
「お前等もよーく、覚えておけ。そして、貴様等も胸に刻みつけておけ!」

 セイバーは尋常ならざる魔力を漂わせながら更に一歩、踏み出す。すると、何と言う事だろう、コンクリートで覆われた硬質の地面が大きく震え、亀裂が走った。
 先程までと明らかに雰囲気の異なるセイバーに黒き魔力を帯びたサーヴァント達は警戒心を顕にする。そんな彼等に獰猛な笑みを浮かべ、セイバーは吼えた。
 
「我が名は――――、|破壊神を破壊した男《ベオウルフ》也!!」

 真名と共にセイバーの宝具が解放された。瞬間、理性を持たない筈の言峰陣営のサーヴァント達が一歩、後ろに退がった。
 空気が破裂したかのように周囲の建物の窓ガラスが粉砕し、木々が倒れた。
 
「ベオウルフ……。スッゲー! 俺、本で読んだ事あるよ! 最高だ! 憧れの勇者だ! カッコいい!」

 相変わらず、力が抜けそうになる。だが、己の伝説を書物で読み、己に憧れを持ったというライダーのマスターに対し、悪い気分では無かった。
 折角、ファンが見物しているのだ。精々、期待に応えるとしよう。
 
「セイッ!」

 セイバーが行った事。それは酷く単純なものだった。
 剣を振り上げ、振り下ろす。素振りをするかのように行われた、その一連の動きによって、信じられない光景が広がった。
 まるで、隕石が墜落でもしたかのように、地面が破裂したのだ。だが、それを認識出来たのはサーヴァントだけだった。人間であるアーチャーのマスターとライダーのマスターは地面の爆裂時に発生した大音響によって意識を奪われた。
 ソニックブームという現象がある。物体が音と同じ速度に達した時、発生する衝撃波の事だ。
 超音速に達したセイバーの斬撃がソニックブームを起こした。言葉にすればそれだけの事。問題なのは、ソニックブームが引き起こす被害の大きさだ。例えば、ジェット戦闘機が引き起こすソニックブームは5キロ先のガラス窓を割ると言う。
 さて、ここにアーチャーのマスターとライダーのマスター以外にも一人、人間が居た筈だ。如何に魔術師といえど、所詮は生身。ソニックブームという現象の脅威に晒され、無事に済む道理が無い。
 言峰以外の二人の人間が気を失うだけで済んだのは彼等を守る力が働いていたからだ。アーチャーのマスターはルーラーの発動した宝具の守護結界内に居たし、ライダーのマスターはヒッポグリフの加護を受けていた。
 言峰綺礼には何も無かった。それ故に、彼は地に倒れ付している。鼓膜を破られた事で耳から血を流し、三半規管が完全に麻痺したらしく、立ち上がる事も出来ずに居る。
 それでも、称賛に値する程のしぶとさだ。全身がペンキで塗られたかのように血で染まり、生きている事自体、奇跡みたいなものだ。
 
「な、何と言う無茶をするのですか!?」

 危うく、守るべき少女が殺されそうになり、ルーラーが抗議の声を上げた。
 
「そう怒るな、ルーラー。セイバーの判断は実に的確だった。見ろ、司令塔の機能が停止した事で、奴等の動きが鈍くなっている」

 確かに、言峰綺礼という司令塔を失ったサーヴァント達はまるで途惑っているかのように鈍い動きをしている。
 
「あの男には厄介な後ろ盾がある。回復される前に皆殺しにするぞ」

 ギルガメッシュの言葉に応じ。セイバーは魔剣を振り上げながらサーヴァント達に襲い掛かった。
 それはもはや虐殺だった。最強の名を欲しいままにする二騎の英霊を前に統率を失い、知性も持たない彼等が抗える道理が無い。

「あ、綺礼が!」

 掃除が終わった後、アーチャーのマスターが叫んだ。言峰綺礼の体が突如、黒い光に飲み込まれ、消えてしまったのだ。
 アーチャー曰く、奴等は何度でも再生するらしいが、幾ら待っても、奴等が再び襲って来る事は無かった。
 終わった。誰もがそう思った時、戦場に鈴の音のような少女の声が響いた。
 
『聞こえるかね? 間桐桜。それに、ルーラー』
「この声は……」

 アーチャーのマスターが警戒の声を上げるが、セイバーにとっては警戒する理由が一つも無い。彼女こそ、彼のマスターだからだ。
 
『君達と面会したい。無論、此方に戦闘の意思は無い。先程の戦闘での加勢はその証だ』

 アーチャーのマスターは自らのサーヴァントに判断を仰ごうとするが、自分で考えろと一蹴され、頬を膨らませながら叫んだ。
 
「いいわ! ただし、場所はこっちで指定させてもらう」
『構わない。感謝する。場所はセイバーに教えてくれ』
「分かったわ……」

 アッサリと了承された事に面食らっている様子のアーチャーのマスターに指定の場所を聞いていると、突然、新たなサーヴァントの気配が現れた。
 青い鎧に真紅の槍。ランサーのサーヴァントが背後にマスターらしき女性を引き連れて現れた。
 ランサーのマスターは開口一番に言った。
 
「私は魔術協会所属のバゼット・フラガ・マクレミッツ。その面会の場に同席したい」
「ハイハイ! 俺も俺も! 何だか良くわかんないけど、俺も参加しまーす!」

 彼女に便乗し、ライダーのマスターまでが参加表明して来た。
 僅かに沈黙が続いた後、セイバーのマスター、ライネスは言った。
 
『此方は別に構わない。どうする? 間桐桜』
「……ええ、この二人なら構わないわ」
『という訳だ』
「感謝します」
「どーもーッス!」

 そして、セイバー達は一同、新都の中心街にポツンと佇む一件のカフェテリアにやって来た。

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